詩篇74-76; ローマ9:16-33

詩篇

第74篇

74:1神よ、なぜ、われらをとこしえに捨てられるのですか。
なぜ、あなたの牧の羊に怒りを燃やされるのですか。
74:2昔あなたが手に入れられたあなたの公会、
すなわち、あなたの嗣業の部族となすために
あがなわれたものを思い出してください。
あなたが住まわれたシオンの山を
思い出してください。
74:3とこしえの滅びの跡に、あなたの足を向けてください。
敵は聖所で、すべての物を破壊しました。
74:4あなたのあだは聖所の中でほえさけび、
彼らのしるしを立てて、しるしとしました。
74:5彼らは上の入口では、おのをもって
木の格子垣を切り倒しました。
74:6また彼らは手おのと鎚とをもって
聖所の彫り物をことごとく打ち落しました。
74:7彼らはあなたの聖所に火をかけ、
み名のすみかをけがして、地に倒しました。
74:8彼らは心のうちに言いました、
「われらはことごとくこれを滅ぼそう」と。
彼らは国のうちの神の会堂をことごとく焼きました。
74:9われらは自分たちのしるしを見ません。
預言者も今はいません。
そしていつまで続くのか、われらのうちには、
知る者がありません。
74:10神よ、あだはいつまであざけるでしょうか。
敵はとこしえにあなたの名をののしるでしょうか。
74:11なぜあなたは手を引かれるのですか。
なぜあなたは右の手を
ふところに入れておかれるのですか。
74:12神はいにしえからわたしの王であって、
救を世の中に行われた。
74:13あなたはみ力をもって海をわかち、
水の上の龍の頭を砕かれた。
74:14あなたはレビヤタンの頭をくだき、
これを野の獣に与えてえじきとされた。
74:15あなたは泉と流れとを開き、
絶えず流れるもろもろの川をからされた。
74:16昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。
あなたは光と太陽とを設けられた。
74:17あなたは地のもろもろの境を定め、
夏と冬とを造られた。
74:18主よ、敵はあなたをあざけり、
愚かな民はあなたのみ名をののしります。
この事を思い出してください。
74:19どうかあなたのはとの魂を
野の獣にわたさないでください。
貧しい者のいのちをとこしえに忘れないでください。
74:20あなたの契約をかえりみてください。
地の暗い所は暴力のすまいで満ちています。
74:21しえたげられる者を恥じさせないでください。
貧しい者と乏しい者とに
み名をほめたたえさせてください。
74:22神よ、起きてあなたの訴えをあげつらい、
愚かな者のひねもすあなたをあざけるのを
みこころにとめてください。
74:23あなたのあだの叫びを忘れないでください。
あなたの敵の絶えずあげる騒ぎを
忘れないでください。

第75篇

75:1神よ、われらはあなたに感謝します。
われらは感謝します。
われらはあなたのみ名を呼び、
あなたのくすしきみわざを語ります。
75:2定まった時が来れば、
わたしは公平をもってさばく。
75:3地とすべてこれに住むものがよろめくとき、
わたしはその柱を堅くする。〔セラ
75:4わたしは、誇る者には「誇るな」と言い、
悪しき者には「角をあげるな、
75:5角を高くあげるな、
高慢な態度をもって語るな」と言う。
75:6上げることは東からでなく、西からでなく、
また荒野からでもない。
75:7それはさばきを行われる神であって、
神はこれを下げ、かれを上げられる。
75:8主の手には杯があって、
よく混ぜた酒があわだっている。
主がこれを注ぎ出されると、
地のすべての悪しき者は
これを一滴も残さずに飲みつくすであろう。
75:9しかしわたしはとこしえに喜び、
ヤコブの神をほめうたいます。
75:10悪しき者の角はことごとく切り離されるが
正しい者の角はあげられるであろう。

第76篇

76:1神はユダに知られ、
そのみ名はイスラエルにおいて偉大である。
76:2その幕屋はサレムにあり、
そのすまいはシオンにある。
76:3かしこで神は弓の火矢を折り、
盾とつるぎと戦いの武器をこわされた。〔セラ
76:4あなたは永久の山々にまさって
光栄あり、威厳がある。
76:5雄々しい者はかすめられ、彼らは眠りに沈み、
いくさびとは皆その手を施すことができなかった。
76:6ヤコブの神よ、あなたのとがめによって、
乗り手と馬とは深い眠りに陥った。
76:7しかし、あなたこそは恐るべき方である。
あなたが怒りを発せられるとき、
だれがみ前に立つことができよう。
76:8 76あなたは天からさばきを仰せられた。
神が地のしえたげられた者を救うために、
さばきに立たれたとき、地は恐れて、沈黙した。〔セラ
76:10まことに人の怒りはあなたをほめたたえる。
怒りの余りをあなたは帯とされる。
76:11あなたがたの神、主に誓いを立てて、それを償え。
その周囲のすべての者は
恐るべき主に贈り物をささげよ。
76:12主はもろもろの君たちのいのちを断たれる。
主は地の王たちの恐るべき者である。


ローマ

第9章

9:16ゆえに、それは人間の意志や努力によるのではなく、ただ神のあわれみによるのである。9:17聖書はパロにこう言っている、「わたしがあなたを立てたのは、この事のためである。すなわち、あなたによってわたしの力をあらわし、また、わたしの名が全世界に言いひろめられるためである」。9:18だから、神はそのあわれもうと思う者をあわれみ、かたくなにしようと思う者を、かたくなになさるのである。
9:19そこで、あなたは言うであろう、「なぜ神は、なおも人を責められるのか。だれが、神の意図に逆らい得ようか」。9:20ああ人よ。あなたは、神に言い逆らうとは、いったい、何者なのか。造られたものが造った者に向かって、「なぜ、わたしをこのように造ったのか」と言うことがあろうか。9:21陶器を造る者は、同じ土くれから、一つを尊い器に、他を卑しい器に造りあげる権能がないのであろうか。9:22もし、神が怒りをあらわし、かつ、ご自身の力を知らせようと思われつつも、滅びることになっている怒りの器を、大いなる寛容をもって忍ばれたとすれば、9:23かつ、栄光にあずからせるために、あらかじめ用意されたあわれみの器にご自身の栄光の富を知らせようとされたとすれば、どうであろうか。9:24神は、このあわれみの器として、またわたしたちをも、ユダヤ人の中からだけではなく、異邦人の中からも召されたのである。9:25それは、ホセアの書でも言われているとおりである、
「わたしは、わたしの民でない者を、
わたしの民と呼び、
愛されなかった者を、愛される者と呼ぶであろう。
9:26あなたがたはわたしの民ではないと、
彼らに言ったその場所で、
彼らは生ける神の子らであると、
呼ばれるであろう」。
9:27また、イザヤはイスラエルについて叫んでいる、
「たとい、イスラエルの子らの数は、
浜の砂のようであっても、
救われるのは、残された者だけであろう。
9:28主は、御言をきびしくまたすみやかに、
地上になしとげられるであろう」。
9:29さらに、イザヤは預言した、
「もし、万軍の主がわたしたちに
子孫を残されなかったなら、
わたしたちはソドムのようになり、
ゴモラと同じようになったであろう」。
9:30では、わたしたちはなんと言おうか。義を追い求めなかった異邦人は、義、すなわち、信仰による義を得た。9:31しかし、義の律法を追い求めていたイスラエルは、その律法に達しなかった。9:32なぜであるか。信仰によらないで、行いによって得られるかのように、追い求めたからである。彼らは、つまずきの石につまずいたのである。
9:33「見よ、わたしはシオンに、
つまずきの石、さまたげの岩を置く。
それにより頼む者は、失望に終ることがない」
と書いてあるとおりである。


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